PROFILE
大学では経済学部でマーケティングを学びながら、アイスホッケー部での活動に熱中。父親が鉄鋼業に携わっていたことから鉄を身近に感じ、その将来性を信じて2001年に入社。現在は東日本製鋼原料部で新たな事業創出に取り組む。
WORK
現在の仕事内容
東日本製鋼原料部の課長として、鉄スクラップの仕入れ・販売を中心に担当。解体現場などから排出される廃却材を、選別・加工するスクラップディーラーより買い付け、製鋼メーカーへ安定供給することが主な役割。カーボンニュートラルに寄与する新たな鉄スクラップや副原料となるリサイクル商材の開発・需要創造にも取り組む。

社員紹介
業界を変えていける、
新たな可能性を
T.M
東日本製鋼原料部
STORY 01

私が入社した頃は、バブル崩壊後の低迷で「鉄鋼業は先行きが厳しい」と言われていました。しかし、日本の粗鋼生産量がバブル崩壊を経ても世界ではトップレベルを維持していたことから、鉄にはまだまだ可能性があると考えていました。そして、現在まで鉄はビルや自動車などを支える“産業の基盤”であり続けていると感じます。しかし、その粗鋼生産量も昨今では減少しつつあり、製鋼原料事業においても国内需要が伸び悩む状況が続いているため、従来の取引に加えて、新たなビジネスモデルの必要性を感じています。
東日本製鋼原料部では、関東エリア主体に電気炉および高炉といった製鋼メーカー様向けに鉄スクラップ取引を行っていますが、カーボンニュートラルの時流を受け、各メーカーでは新たな省エネ素材を模索している時期でもあります。そこで、私たちは部内で議論を重ね、従来は製鋼原料としては忌避される鉄スクラップに含まれる「不純物」を、新たな素材となる「副原料」として提案し、生産効率やコスト削減につなげる可能性を模索しはじめました。

STORY 02

副原料の開発でまずぶつかったのは「本当に使えるのか」という製鋼メーカー様の不安です。混在物を新たな素材とするには品質も安定供給も未知数で、容易に採用されるとリスクが大きい。加えて、メーカー様はこれまでの調達ルートを急に変えられない事情も抱えています。こうした懸念を払しょくするため、私たちはスクラップディーラー様からサンプルを集め、メーカー様へこまめに情報を伝えながら試験投入を繰り返しました。
これらの「副原料」には、電気炉で溶かす際に燃焼促進効果や溶解の安定化が期待される一方、生産ラインを乱すリスクもあります。そこで投入方法や配合率を調整し、段階的に導入してもらう手法を提案するなど、トライアルを重ねていきました。そのように新しい素材に目を向けてもらうための工夫を続けることで、ようやく「もう少し試してみよう」という前向きな評価を得ることができました。

STORY 03

こうして粘り強く進めた結果、採用された時は大きな達成感がありました。以前なら処分するだけだった廃却材が、コスト削減や省エネに役立つ資材へと変わるのは、まさにリサイクルの醍醐味です。ただし課題はまだ多く、数量の安定という面など実際に運用する上で乗り越えねばならない壁も残っています。
それでも「新しい素材を探している」という製鋼メーカー様は少なくありません。そのため、スクラップディーラー様が持つ廃却材情報や研究中の素材を組み合わせれば、より広い分野に提案できるのではないかと手応えを感じています。また、若いメンバーにも「まずは動いてみよう」と声をかけ、失敗のリスクを恐れず挑戦してもらうようにしています。それは、積極的に動く中でしか得られない学びがあると信じているからです。鉄にはまだ新しい可能性が眠っています。変化を積み上げることで、自分自身も業界全体も成長していけるのが、この仕事の大きな魅力だと実感しています。
ある1日のスケジュール
SCHEDULE
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9:00
出社して、メールや情報、TODOリストの確認。
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10:00
お客様を訪問して商談。
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12:00
社内でお弁当ランチ。
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13:00
保有案件ごとに担当課員との打ち合わせ。状況に応じて指示や調整を行う。
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15:00
資料作成、見積確認などを行った後に会議へ。
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17:00
各課員の直近で発生した課題に対して、検討や提案を行う。
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18:00
明日やることを確認して退社。
今後の目標
副原料の取り組みは、はじまったばかりです。鉄スクラップの混在物からどう新しい価値を生み出せるか、まだまだ大きな可能性があると思っています。環境リサイクルの重要性が増す中で、製鋼メーカー様が抱えるコスト低減取組やカーボンニュートラルへの要請に、商社としてどこまで応えられるかが勝負です。若手の挑戦を後押ししながら、それぞれが情報を共有し合い、業界全体の未来を切り拓く一助になりたいと思っています。
業務職からのコメント
課長は話しかけやすく、どんな些細な相談にも冷静に耳を傾けてくれる方です。合理的な考え方を持ちながら、一人ひとりの性格や強みを理解し、個々の意見を尊重してくれます。そのため安心して相談ができ、適切なアドバイスがもらえます。また、立場に関係なくフラットに接してくれるため、部署全体で気軽に話がしやすい雰囲気を築いてくれています。私は業務職のため仕事内容は異なりますが、一緒に働くことで学びの多い毎日を過ごせています。

